私の顔は誰も知らない / インベカヲリ★(著)

私の顔は誰も知らない / インベカヲリ★(著)

販売価格: 2,420円(税込)

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人々舎より、『私の顔は誰も知らない』が入荷しました。

著者のインベカヲリ★さんは写真集『やっぱ月帰るわ、私。』『理想の猫じゃない』(共に赤々舎)、ノンフィクション『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』(KADOKAWA)など、写真と文筆を横断する作家として活躍されています。
撮影前に被写体から時間をかけて話を聞きとることで、その人自身の個人的な経験や考え方に焦点を合わせて、存在そのものを浮かび上がらせるといった表面をなぞるのではなく、内面を撮影する手法で大きな支持を集めています。

本書は膨大な数の女性の「個」に迫りポートレートを撮影してきた写真家の、初エッセイ&インタビュー集。
被写体や女性たちへのインタビューとインべさん自身の語りを通して、多くの女性が偽りの姿で生きざるを得ない歪な社会構造を炙り出し、女性にとっての、ひいては人間にとっての幸福とは何なのかを考えます。

このテーマ(偽りの姿)を体現したブックデザイン(セプテンバーカウボーイ/吉岡秀典さんによる)も素晴らしい一冊です。

「男女におけるコミュニケーションの違い」と題した、書き下ろしミニ冊子(A6:文庫サイズ/中綴じ/8P/約2000字)の特典付きです。



『私の顔は誰も知らない』とは、社会に適応することを最優先するあまり、本来のパーソナリティが完全に隠れてしまったかつての私であり、似たような経験を持つ、多くの女性たちを表した言葉だ。(中略)学校教育では異端が排除され、社会に出れば、ルールに適応することを求められる。外から入ってくる価値観に振り回され、偽りの自分でしか生きることができなくなってしまう。自分の発言を黙殺し、まったく違う人間を演じることが当たり前になってしまうのだ。
ーー本文より

"抑圧、世間体、感情労働、そしてジェンダーとフェミニズム。うまく社会適応しているように見えるけれど、本当はしていないし、するつもりもない。たぶん理解されないから言わないだけ。そんな私たちの肖像"