PHOTOGRAPH / 高松次郎

PHOTOGRAPH / 高松次郎

販売価格: 3,080円(税込)

高松次郎(1936-1998)は、1960年代から70年代にかけて、 中西夏之や、赤瀬川原平らとともに我が国の現代美術をリードした美術家であり、見るものに「思考させる」作品や、自らが「思考する」作品により、作品と世界との間に新しい関係を作りだすことに成功し、1960年代以降の日本におけるコンセプチュアル・アートに大きな影響を与えた。

本書に収められている『写真の写真』シリーズは、我々の日常的な状況の一部を対象(モチーフ)とした写真を用いることにより、写真におけるメッセージ性という特質を排除し、又、作品の中に一切の隠喩も含ませない状態で、光と影のムラに過ぎない写真の物体としての即物的な存在が、写真の持つ視覚のイリュージョン性によって、作品として自立し、芸術として成立するかという試みがなされている。