これが生活なのかしらん / 小原晩

これが生活なのかしらん / 小原晩

販売価格: 1,650円(税込)

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まさかこれが自分の生活なのか、とうたがいたくなるときがあります。

それは自分にはもったいないようなしあわせを感じて、という場合もあれば、
たえられないほどかなしくて、という場合もあるのですが、
それはもちろん自分の生活であるわけです。

その自分の生活というものを、つまりは現実を、
べつだん、大げさにも卑屈にもとらえず、そのまま受けいれたとき、
みえてくるのは「ほのおかしさ」ではなかろうかと思います。

ままならない生活にころがる「ほのおかしさ」を私はずっと信じています。
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自費出版作品としては異例の売れ行きを記録した
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の小原晩、書き下ろし最新作!

まぶしいほどまっすぐで、愛おしい。ままならない生活をめぐる38編のエッセイ。




◎穂村弘さん
例えば、恋人とラーメンを食べにゆく夜のときめき。
国道がきらきらして、風の匂いまで違っていた。
そんな小さな特別さが詰まった本書に胸が熱くなりました。
「一緒に住むってどう?」
「屋上ってのぼれるのかな」
「ウインナーに夢中」
「今日はお祭りか」
「すべてがどうてもよくなったときのためのペヤング」
ゴミのような、宝石のような、不思議な日々の欠片たち。

◎ホホホ座浄土寺店 山下賢二さん
僕が思う小原晩の良さは、しんどいエピソードほどピッチが合うリズム感と兄へのすっぴんな描写。

◎本屋 lighthouse 関口竜平さん
こんなにも滑稽な生活があるのかしらん。なんて思うけど、ほんとは誰もがみなこんな日々を送っている。だから、勇気を出して書きしたためてしまえ! さすれば明日がたのしみになる。長生きしてえなこんちくしょう。

◎恵文社一乗寺店 韓千帆さん
日々のおかしさ、やるせなさや嬉しさやつまらなさも、彼女が両手で掬い上げたとき大きな毛布となり、きらめく小石となる。映画でもドラマでもない生活の断片は、私たちにもひとしく注ぐ素直な光である。

◎BREWBOOKS 尾崎大輔さん
小原さんの文章を一言でいうと、慈愛だ。石焼きいもで十分美味しいのにスイートポテトを作っちゃうような人なんだきっと。

◎blackbird books 吉川祥一郎さん
こんな稲妻のような友達が欲しい。

◎ON READING 黒田義隆さん
生活なんて、おぼつかなくたっていい。
ただ、自分の足で歩めばいい。
生きるって、なんだかんだ楽しいっすね。

◎栞日
・星野文月さん
不器用で情けなくて、ちょっとおかしい。
そんな生っぽい日常を、唐揚げみたいに調理してしまう晩ちゃんの文章に触れると、心がはればれします。

・梅迫菜摘さん
晩さんが書くたのしいことや、つらいこと、なんでもないことも全部、いつのまにか夜が明けてしまってもいいくらい、ずっと読んでいたくなります。

◎SUNNY BOY BOOKS 高橋和也さん
埋もれてしまいがちな日々をしっかりと思い出にして心にたぐり寄せる小原さん。
私たちの生活も、きっとこんな風にたんたんと感動的なのかしらん。

◎とほん 砂川昌広さん
せつなさ、くるしさ、たのしさ。生活のなかで巻き起こるさまざまな感情が、くるくると舞い上がって、心に降り注いでくる。疲れたときふと手に取って読み返したくなるような、心に沁みるエッセイ集でした。

◎古本と新刊scene 高岡浄邦さん
布団に潜り込む前に手に取って、少しずつ読みすすめたい。明日はちょっとだけ良いことが起きるかもしれないし、起きないかもしれないけど、とりあえず生活を続けていく。

◎奈良 蔦屋書店 久保田晋さん
よくある青春の先延ばしや、夢への助走ではない「生活」を覗いて、無理やり安心しました。

◎本の栞 則松栞さん
晩ちゃんは、本当に、まわりの人々に愛をもっているひとだなあと思う。
ちょっと嫌なやつだって、晩ちゃんの目を通すとなんだか憎めない、可愛げのあるひとになる。
わたしも晩ちゃんの書く人々のように、チャーミングに暮らしていたい。

◎本の轍 BOOK ON TE TRACKS 越智政尚さん
ふたりで笑って迎える朝もあれば、ひとりでベソをかく夜もある──。
行間からそこはかとなく漂う生活の匂いはいとおかし。
これもそれもあれもどれも凡てを背負い込んで、彼女は今日も明日もしつこく生きる。

◎twililight 熊谷充紘さん
自分の生活を明らかにして受け入れる。
そんな明るいあきらめのようなムードに心がほぐれました。
人はいつか死ぬし、人と人は本当にはわかりあえない。
だからこそ、今を懸命に生きるし、あなたと一緒にいたいのだ。

◎本屋B&B 中西日波さん
書かれていなくても、きっと自分と同じように毎日朝が来て夜が来て、歯磨き粉切れたから買わないととか取り沙汰されないことで1日が構成されているんだろうと思える、本当に生きている感じがする。

◎Amleteron アマヤフミヨさん
小原晩はある種の光を放つ。それは必ずしも大きく輝いてはおらず、時には鈍くしかしいつも光っているのである。たとえ困難な状況にあろうとも小気味よい文体が一気に読ませる魅力を持ち、自分の機嫌を取る術(マジック)を知っていればまた前を向いて歩いていけることも教えてくれる。

◎mountain bookcase 石垣純子さん
彼女が書く文章には、一歩一歩自分の道を作りながら進む人だけが持つ無骨なたくましさと、心根のやさしい希望がある。
これからも彼女の書くものを読み続けていきたいし、そんな人がさらに増えてゆくのだろうと思う。

◎古書むしくい堂 高橋良算さん
ニトリのスチールラックと、妖精と、金の微糖と、緑色のバブ。かりっほわあのしょっぱうまうま。
私はそこにいないのに、姿が見え、鼓動が聞こえ、味までわかります。

◎まわりみち文庫 奈良匠さん
実家やアパートの生活のみならず、なにやら怪しい職場のエピソードですら、そこはかとない可笑しみがある。「ハント」に勤しむ小原さんの真面目さに、思わず口元が緩んでしまいました。

◎がたんごとん 吉田茜さん
大都会で暮らす若者の、自由さと健気さとたくましさ!
必死にサバイブした過去も振り返れば、かけがえのない生活だったのだ。

◎museum shop T 飯塚藍子さん
いいこともいやなことも、嬉しいことも悲しいことも、なんでもないことも、小原さんの言葉で綴られると可笑しくて愛おしい。小原さんのお兄さん、お友達のりんごちゃんとめろんちゃん、うっかり好きになってしまいました。

◎百年 樽本樹廣さん
ぼくにもこんな生活があったことを忘れていた。あの頃に帰りたいとは思わないけど愛おしい思い出だった。

◎1003 奥村千織さん
水曜日のようなこころもちの生活。麩菓子のように染まる肌。妖怪むしえび女。
小原晩のことばには、いつもこころを奪われる。

◎本屋Title 辻山良雄さん
生活はどこかにあるのではなく、自分の歩いたあとが“生活”になる。
こうしているあいだにも、小原さんは自分の生活を生きている。
そう考えると、何だか泣けてくる。

◎曲線 菅原匠子さん
「人生はときに、力業である。」と言う小原さんの暮らしは、もちろん毎時が力業というわけではないのだけれど、やっぱり力いっぱいの暮らしぶりである。
ひとり暮らし、二人暮らし、三人暮らし、実家暮らし、寮暮らし。その時々の暮らしの機微がテンポ良く綴られていく。塩バターパンのサンドイッチ、揚げたてのポテトフライ、ペヤングの超大盛り、りんごちゃんの手巻き寿司、ラーメン屋のはしご。彼女の暮らしの主成分でもあるさまざまな食べ物は、何気ないものなのになんだかものすごいごちそうのように思える。日々のままならなさが彼女を取り巻いてしまったとしても、きっと出口を見つけて飛び出してきてくれるだろう、そんな頼もしさを感じる等身大の暮らしのエッセイ。

◎ひとやすみ書店 城下康明さん
ふとかおってくる人んちの夕飯のにおい。の、文学版だと思いました。
小原晩さんにしか書けない、小原晩さんの生活の軌跡。

◎本屋イトマイ 鈴木永一さん
小原さんの小さな舌打ちと、なんでもないしあわせが詰まった、ジャンルレスな一冊。
あえていうなら「小原本」。歌であり、詩であり、日記であり、小説であり生活を積み重ね、ふと後ろを振り返ると他人が聞けば哄笑するような、自分にとってはこれが私の生活なのかしらん!?と自問してしまうような。
それはどれも痛みがあるがゆえに愛おしく語りかけてくる。
はたしてほんとうにこれが生活だろうか、と小さく舌打ちして。

◎SPBS 川口涼佳さん
過ぎていく時間に溶けて消えてしまうなんでもないようなことも、たまに思いだす悔しさや怒りも、大切な人と過ごす時間も全て、私たちの生活は小さな物語なのかもしれない。