ヘヴィ あるアメリカ人の回想録 / キエセ・レイモン

ヘヴィ あるアメリカ人の回想録 / キエセ・レイモン

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アメリカ社会の人種差別の非情さをアフリカン・アメリカンの母子の関係を通して綴られた自伝的ノンフィクション「ヘヴィ あるアメリカ人の回想録」が入荷しました。

ニューヨークタイムズ2018年ベスト本/2019年アンドリューカーネギー賞/2018年クリストファー・イシャーウッド賞自伝的散文賞受賞作品。


黒人女性政治学者として輝かしいキャリアを築く一方で、私生活では母子家庭で息子を一人で育てる不安でいっぱいだった母。
アメリカ社会で黒人が意味のある人生をまっとうする難しさを知る母は、息子に鞭打ちの折檻も交えて厳しく教育しながら、権威主義的な恋人とギャンブルに依存し、家庭は常に貧困状態にある。
「たった一人の友だち」と慕う母から受ける虐待や友人間の性暴力に傷つく「ぼく」は、ジャンクフードに逃避し、増えた体重が彼を一層痛めつける。
そんな「ぼく」が痛みから抜け出すべく手繰り寄せたのは、他ならぬ母から教えられた「書いて、推敲する」ことだった。


「どうか怒らないでほしい、母さん。 ぼくはただ、ぼくが何を経験してどこで歪んだのか、 母さんに伝えようとしているだけなんだ。 ぼくらが何を経験してどこで歪んだのか、 ぼくらに知らせようとしているだけなんだ。」(本書より)


「家族とは、黒人たちの歴史的命題であり続けてきたといってよい。一切のロマンスを排したそれとの対決が、本書を稀有な「黒人の自伝」としているのである。特にその中心には母がおり、彼女の生き方こそ、人種主義社会の非情さと、善悪では裁けないサヴァイヴァルの複雑な機微の集積である。」新田啓子(解説より)

「信じられない。『ヘヴィ』にはびっくり。深い。強烈。多層的。ただただすごい。」ーロクサーヌ・ゲイ(作家)