雨に打たれて アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集 / アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ (著), 酒寄進一 (翻訳)

雨に打たれて アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集 / アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ (著), 酒寄進一 (翻訳)

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書肆侃侃房より、『雨に打たれて アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集』が入荷しました。

1930年代、ナチスに迎合する富豪の両親に反発し、同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家がいた。

同じように世界に居場所を失い、中近東に流れ着いた人々がいた。

旅先で出会った人々を繊細な筆致で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集。

シュヴァルツェンバッハは冷徹な観察者の眼差しと簡潔な文体で、オリエントの国々を彷徨う異邦人の荒涼とした自由、追放者の勲章としての孤独、そして過酷な運命を優美に描いてみせる。───山崎まどか

【目次】
約束の地
移民
輝かしきヨーロッパ
雨に打たれて
別れ
ベニ・ザイナブ
帰郷を目前にして
耐えに耐え……
伝道
三日連続の徹夜酒
悩みは五十歩百歩
ヴァンの婚約
告知
女ひとり
訳者解説

【著者】
アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ
1908年スイスのチューリッヒ生まれ。作家、ジャーナリスト、写真家。大学では歴史学を専攻し、23歳で博士号を取得。レズビアンだったが、27歳のとき、同性愛者のフランス人外交官の男性と結婚。ナチから逃れるようにして中近東を旅し、帰国後創作活動に入るが、薬物依存症に陥る。1939年、ふたたび中近東への自動車旅行を試みるが、その途上、第二次世界大戦が勃発し、帰国。1942年不慮の自転車事故で34年の生涯を閉じる。

酒寄進一
ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書に、2012年第9回本屋大賞翻訳小説部門第1位のフォン・シーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞受賞のコルドン「ベルリン三部作」、ヘッセ『デーミアン』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、ケストナー『終戦日記一九四五』、ノイハウス『母の日に死んだ』、コルドン『ベルリン1919 赤い水兵』、ザルテン『バンビ 森に生きる』などがある。