ベルリンを拠点に活動する小金沢健人は、国際舞台での活躍が目覚ましい現代美術作家の一人です。
「数を忘れる」「言葉を忘れる」「我を忘れる」「夢」の4つのテーマで構成されている本書。
コラージュ作品などを含む132点の作品が収録されています。
この作品には眺めていると何だか引き込まれていくような、満たされていくような不思議な魅力があります。
密度のある線や色使いも印象的です。
・著者からのコメント
世界の層を見つけることに夢中です。
正確には層と層をつなぐものに興味があってそれはだいたい動いていることが多
いので追いかけているうちに思いがけないところに出ます。
そこではいろいろなものがだんだんあやふやなものに思えてくる。
数字や数えるということ、文字や名前や喋る事、自分が自分であるという自覚、
これらがあいまいでゆらぎはじめる世界をずっと進んでいくとその端に大きな穴
があります。
底の見えない穴にいろんなものを投げ込んでみると落ちていく時にそれらが光る
ことがあって一瞬照らされてすぐ闇に溶けてゆく出来事を取り憑かれたように眺
めています。
